電車のトイレの仕組みって気になりませんか?
私は、電車のトイレに行くと「ウンチ達はどこに行くのか?」と疑問に思っていました。
移動する電車では下水のパイプなどはありませんので、どこかに貯めているのか?もしかしてそのまま外に垂れ流しているのか…なんて不安を持っていました(汗
今回はそんな不安を払拭するために、電車のトイレの仕組みについてリサーチを行いました。現在の主流のトイレから昔の電車のトイレまでいていろいろと調べましたので紹介していきたいと思います。
まずは、現在主流のトイレの仕組みから紹介していきたいと思います。
スポンサードリンク
目次
ウンチはどこへ行くのか?
それでは、現在の電車のトイレについて解説していきたいと思いますが、その前に1つだけ。冒頭での私の疑問「電車のトイレで流したウンチ達はどこに行くのか?」に答えておきたいと思います。
現在の電車のトイレでは
ウンチ達は汚物タンクに収められており、そのまま垂れ流しているということはありません!
今の時代に、そのまま垂れ流しということは衛生的にも環境的にもありえません(汗
しかし、電車にトイレが作られた当初は、そのまま線路へ垂れ流していた時期があったのも事実です。当たり前ですが、汚物をそのまま垂れ流すことで様々な問題が生じていました。
初期の電車のトイレでは
初期の電車では、汚物を垂れ流すことの問題を黄害(おうがい、こうがい)と呼んでいました。まさに黄色い汚物による被害という意味で、具体的には…
- 飛散した汚物は、汚いし、臭い。
- トンネル内では、飛散した汚物が窓から入ってくる。
- 駅などで停車中は飛散できず汚物が残ってしまう。
このような問題から、批判も多かったために現在は、汚物タンクに収容されるようになっているんです。
とりあえず、電車でのウンチ達の行き先についての不安を1つ解消したところで、現在の電車のトイレの主流となっている真空式というトイレの方式について説明していきたいと思います。
現在の主流は真空式
「シュー」「ジュゴ!!」という音と共に、一気に汚物を吸い込むのが真空式です。それでは、真空式のトイレの動画をご覧ください。
現在の電車のトイレで主流とされている方式は、真空式と言われている方式です。もともと飛行機のトイレで使われていた方式で、圧縮空気の力で汚物を吸引することで汚物をタンクまで運ぶ方式です。
飛行機では、機内と機外の気圧差を利用する仕組みでしたが、地上を走る電車では気圧差を利用することができないために、汚物タンク内の気圧をエジェクター(真空発生装置)で真空にすることで同様の仕組みを用いています。
真空式では、一回の便器洗浄で使われる水量が180cc程度と最小限の水量で洗浄できることが最大の利点と言われています。
電車のトイレでは、使える水が限られていること、汚物タンクの容量が限られていることなどが問題となるが、真空式は両方の問題に対応できる方式だと言えます。
さらに、タンクの小型化やタンクの設置位置に関してもトイレの真下でなくてもよいなど、それまでの循環式よりも構造設計上の自由度が高いことから急速に広まっています。
最近の新幹線や電車では、真空式のトイレが採用されることが多いですが、それ以前は循環式という方式が主流でした。
引き続き循環式のトイレについて解説を行いたいと思います。
以前の主流は循環式
青色の洗浄水が特長の循環式。循環式のトイレはこんな感じです。
現在の真空式のトイレが導入される前の主流だったのが、循環式と言われるトイレ。
大きな特徴は、便器洗浄に使う洗浄水を循環させて再利用するということ。そのために洗浄水には、水と薬剤の混合液が用いられていました。薬剤には硫酸銅系の物が使われることから、洗浄水は青色をしており、悪臭をよくせいするために特有の香料が使われていました。
循環式は、水を何度も再利用するために利用回数が増えると水が汚れてきて、便などの固形物が含まれてしまうために、臭いがひどくなったり、便器や通水管など付着してしまうという問題がありました。
そのため便器も通常の陶器製便器よりも汚れが付きにくいように改良されたり、ステンレス製の便器などが使われるようになりました。
このように循環式から真空式へ色々と改良されている電車のトイレですが、もっと昔はどうだったのでしょうか?
引き続き、昔のトイレの歴史を振り返ってみましょう!
スポンサードリンク
昔のトイレは?
列車開業当初からのトイレの歴史を簡単に説明していきたいと思います。
明治時代に開業された当初は列車にトイレはありませんでした。当初は路線も少なく、運行時間もそれほど長くなかったためにトイレなしでも大丈夫だったと思われます。
そのために、乗客は停車駅で用を足すしかありませんでしたが、走行中にやむにやまれず窓から用を足して罰金を取られたという逸話も残っています。
やがて鉄道網が広がるにつれて、長距離の鉄道旅行なども増えてきたことで、列車にもトイレを設置するようになりました。
最初のトイレは開放式!
最初の列車のトイレは開放式と言って汚物をそのまま線路へ垂れ流す方式でした。外へ放出された汚物は電車の風圧によって飛散していました。
列車によっては便器の穴から線路が見えるストレートな作りの物もありました。便器の穴が外と繋がっているために、用を足す時におしりに冷たい空気があたりスースーしたりしていました。
当初は、線路の沿線には住宅がなかったために垂れ流しでも大丈夫だった時代もあるようですが、冒頭で説明した黄害により批判の声も多く垂れ流しではなく、汚物タンクに貯める方式が考えられました。
一般化しなかった貯留式
開放式の後に考えられたのが貯留式と言われる方式。単純に汚物と洗浄水を全てタンクに貯める方式でした。便器の洗浄については、通常のトイレと同じで多くの水で便を汚物タンクまで流す方式を採用していました。
しかし貯留式では、便器の洗浄に必要な水量が多いために数時間の運行で汚物タンクが一杯になりあふれてしまうという問題があり、一般化することはありませんでした。
東京-新大阪間の新幹線でも貯留式のトイレを採用していましたが、一往復で汚物タンクがいっぱいになり、汚物の抜き取りの時間の確保に悩まされるという状態でした。
このような問題を解決するために考えられたのが前の章で解説した、洗浄水の量が最小限で良い真空式や洗浄水を再利用する循環式のトイレという訳です。
今回は、電車のトイレの仕組みについて詳しく解説しました。「電車のトイレで流したウンチ達はどこに行くのか?」という疑問についても一緒にお答えしています。
今回の記事をまとめると、
- 流したウンチ達は、汚物タンクに貯められていている!
- 現在の主流は、真空式と言われる圧縮空気の力で吸引するタイプ。
- 以前の主流は、循環式と言われる洗浄水を薬剤と混ぜて再利用するタイプ。
- 初期の電車のトイレは開放式と言われる汚物を線路へそのまま垂れ流す方式。衛生的に良くないことから批判も多かった。
このようなことを解説してきました。
初期の電車のトイレでは、汚物を線路へ垂れ流していたというのは本当に驚きました。よくそんなことが許されていなと時代を感じますね。
汚物処理の方式もどんどん改良されて、現在は真空式のトイレがどんどん増えている傾向にあります。
以前はちょっと汚いという印象だった電車のトイレも洋式便座、温水洗浄機能などが付きのトイレもありますので、ゆっくりとくつろいで用を足すことが出来る空間になってきていますね。
【他のトイレ関連記事】
⇒飛行機のトイレの仕組み!空から放出されるって本当?
コメント